がんになる確率はどの程度かご存じでしょうか?
一生のうちに少なくとも2人に1人はがんと診断されます(男性で65.5%、女性で51.2%)。またがんで亡くなられるのは男性で4人に1人(26.7%)、女性で6人に1人(17.9%)というデータがあります。年間ではおよそ100万人の方ががんと診断されているそうです。
大腸がんと診断される方は、2019年では男性は前立腺がんに次いで多く、女性は乳がんに次いで多く、男女あわせると15万人以上となり、実は大腸がんが一番多い数になります。ちなみに大腸がんで死亡される方は男性で肺がん、胃がんに次ぐ3位、女性では1位、合計では5万人以上の方が大腸がんで命を落とされています。
でも、これは非常にもったいない話です!
大腸がんの多くは線腫という大腸ポリープからがんが生じると考えられています。したがって、大腸ポリープを切除することで大腸がんを予防することが可能です。同じ消化器系のがんでも膵臓がんなどは早期発見が難しいことが知られています。しかし大腸がんは内視鏡検査などを受けていれば早期発見が十分可能ながんです。病変が大腸のみにとどまっている転移のない状態での5年生存率は90%以上ですので、早期発見して適切に治療すれば、大腸がんで命を失うことは回避することが可能ながんなのです。そして早期大腸がんになる前の段階のポリープの時点でがんの芽を摘み取れば大腸がんの予防ができるわけです。
アメリカでは大腸内視鏡検査が検診に取り入れられ、大腸がんの死亡率が大きく減少しています。日本における大腸がん検診としては便潜血検査が行われています。ただし大腸がん検診の受診率は2010年の20~30%と比較して改善しているものの、2019年時点で40~50%にとどまっています。またそこで便潜血陽性となるかたはだいたい7%台、すなわち100人中7人程度なのですが、精検受診率、つまり大腸内視鏡検査などを受けられるのは69.3%と3人に2人程度で、兵庫県は成績が悪く47都道府県で下から10番目の受診率です。
40歳を過ぎると大腸ポリープが増える傾向にあるため、理想は40歳を過ぎたら一度大腸内視鏡検査を受けていただくと良いです。内視鏡検査に抵抗を感じられる方はまずは便潜血検査を受けてみてください。陽性で要精密検査となったとき、「検査受けるのは抵抗あるなぁ」と思いますよね。でも「何か病気があるかもしれないのを放っておくのはもっとこわいかも…」とも思います。きのしたクリニックでは少しでも楽にリラックスして検査を受けていただけるようスタッフ一同日々努めています。ご相談からでも結構ですのでお声がけください。