大腸カメラ(大腸内視鏡)検査について
肛門から大腸の一番奥まで内視鏡を挿入して腸の中を検査して、大腸ポリープ、大腸がん、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎など)をはじめとする大腸の病気の発見に寄与します。 大腸がんの多くは、腺腫という大腸ポリープから発がんすることが分かっています。従ってがんになる前に、大腸ポリープを取り除くことで大腸がんを予防することが可能です。 昔は日本では胃がんが多かった時代が続きましたが、近年日本では大腸がんが増加しており年間約15万人が大腸がんと診断され、5万人以上が大腸がんにより亡くなられており、大腸がんによる死亡率が胃がんによる死亡率を上回っています。また大腸がんが多いというイメージのあるアメリカでは、検診で内視鏡検査を導入しており大腸ポリープを切除することにより、大腸がんの死亡数が減少しています。
当院では胃カメラだけでなく、大腸内視鏡も行っています。胃カメラと同様に大腸内視鏡もできるだけ苦痛の少ない検査を提供できるように心がけています。少しでも地域での大腸がんを減らすことで地域のみなさまの健康に役に立ちたいと考えています。
こんな症状がある方は
大腸カメラ検査がおすすめです
- 便に血が混じる
- 便秘や軟便・すっきり便が出ない
- 便が細い
- 腹痛・腹部膨満感がある
- 便潜血陽性
- 貧血が進行する
- 体重が減ってきた
- 大腸ポリープ・大腸がんになったことがある
- 血のつながった家族で大腸がんになった人がいる
- 40~50歳以上になった
大腸カメラ検査で見つかる病気
- 大腸がん
- 大腸ポリープ
- 感染性腸炎
- 潰瘍性大腸炎・クローン病などの炎症性腸疾患
- 大腸憩室症
- 虚血性腸炎
- 痔核
大腸がんは早期に発見すればするほど治る可能性が高いがんです。また大腸ポリープの段階で切除することが大腸がんの予防につながります。定期的に大腸内視鏡検査を行うことで大腸がんから命を守ることが出来るのです。
当院の大腸カメラ検査の特徴
1土曜日の検査が可能
これまで平日お仕事や学業などで忙しい方から、平日以外に検査ができないかというご要望が多くありました。当院では土曜日も午後に大腸内視鏡検査を行うことができます。
2鎮静剤を使用した苦痛を
軽減した大腸内視鏡
ご希望により大腸内視鏡の際に鎮静剤・鎮痛剤を用います。鎮静剤を希望される方・以前の大腸内視鏡の際に痛みや苦痛が強かった方・はじめての検査で受けるのが怖い方には、鎮静剤を点滴投与し、うとうとしながら眠ったような状態で苦痛なく検査をお受けいただけます。
注意点としては、鎮静剤の問題として呼吸抑制(呼吸が浅くなる)などがあり、高齢者や心臓・呼吸器のご病気がある方は慎重に対応する必要がありますので、少量の使用にとどめる場合や使用できない場合があります。また眠気が覚めてからお帰りいただきますが、また眠気に襲われることがあるため、検査当日の車や自転車の運転は禁止とさせていただいています。交通機関を利用しやすい場所にございますので、電車・バス・タクシーなどの利用をご検討ください。
3炭酸ガスを使用して
お腹の張りを軽減
大腸の検査時に空気を入れると検査中・検査後のお腹の張りがきつくなります。空気のかわりに炭酸ガスを送り込むと吸収がはやく、お腹のはりが楽になります。
また内視鏡を入れていくときには、吸収の良い炭酸ガスであっても腸の中にたくさん入れるとお腹の張り・痛みが生じる原因となるため、空気のかわりに水の注入を行うなどして、極力空気を送り込まないよう、腸に負担がかからないよう、内視鏡を操作して入れていきます。
4リカバリールームの利用
鎮静剤を用いた場合は、眠気が覚めるまでリカバリールームで快適にお過ごしいただけますので、ゆっくりお休みください。
5胃カメラ・大腸カメラの
同日検査が可能
忙しくてなかなか休みがとれない、カメラの検査の際に食事制限をするのがつらい、大腸カメラで鎮静剤を用いるなら一気に胃カメラも済ませたい、といった方には胃カメラと大腸カメラを同日に行うことが可能です。なお、大腸カメラには事前診察と検査前の下剤の処方が必要ですので、検査前に一度受診していただきます。
6下剤を飲まない内視鏡
大腸内視鏡検査の際に「下剤を飲むのが検査以上にしんどかった」という声をよく耳にしております。安全性の面から下剤は口から服用していただくのを原則とはしていますが、以前下剤を飲むのが大変だったという方で、おなかの手術歴のある方・腸閉塞や腸管穿孔の既往歴がある方・高度の便秘の方を除いて、午前中に胃カメラ検査を行い、その際十二指腸から下剤を注入する方法で下剤の飲む量を0にする、もしくは減らすことが出来ます。事前の診察を必要とします。
(安全性の観点と午前中の診療中に胃カメラを行い下剤を注入する時間が確保できないことから、現在は下剤を飲まない内視鏡につきましては取り扱いを停止させていただいています。ご了解お願い申し上げます)
7専用の前処置室・トイレが
あり、院内での前処置・下剤服用が可能
施設によっては前処置の下剤はご自宅で服用いただく場合がありますが、慣れない前処置をひとりですることに不安もあると思います。当院では専用の前処置室・トイレを完備しており、院内で読書やテレビ鑑賞などをしながら前処置・下剤服用を行うことが可能で、来院時間や来院するまでの道中で便意をもよおす心配なく、検査までの時間を安心・リラックスして過ごしていただくことができます。
過去に下剤を飲んだことがある、自宅のほうが落ち着いて下剤が飲めるといったかたは、ご自宅で前処置を行ってご来院いただいても大丈夫です。
8内視鏡専門医による
丁寧な検査・適切な診断
大腸内視鏡の検査精度は検査を行う医師の技術・経験により影響を受けます。また苦痛の少ない検査を行うことは検査精度を保つうえで重要です。豊富な経験を積んだ日本消化器内視鏡学会専門医による丁寧な検査を行い、適切な診断を行います。検査後のご説明も分かりやすい説明を心がけていますので、ご不安な点などございましたらお気軽にご相談ください。
9日帰りで大腸ポリープの切除を行います
当院では日帰りでの大腸ポリープ切除を行います。大腸ポリープを切除する究極の目標は、大腸ポリープから発生する大腸がんで命を失うのを減らすことです。事前の説明で合併症・費用なども含めた切除についての説明を行い、同意を得られている方に切除を行います。ただしサイズの大きいものやポリープの形・数によって入院施設での切除が望ましい場合は可能な病院施設へご紹介させていただきます
10阪神御影駅前すぐ、
通院しやすいクリニック
当院は阪神御影駅前すぐにあります。また神戸市バスのバスターミナルもあり、タクシー乗り場も目の前にあります。鎮静剤を用いた際には、当日のご自身での運転は控えていただくようにしておりますが、当院はさまざまな公共交通機関をご利用でき、アクセス便利です。提携駐車場もございますので、ご家族などによるお迎えもしていただきやすい環境です。
11高性能の内視鏡システム
最近の内視鏡システムの画像の進歩は目覚ましく改良が進んでいます。当院当院の内視鏡システムも高性能・高精細のものを導入しております。正確な診断を行ううえで重要であると考えています。特に大腸ポリープの識別には拡大内視鏡を用いての観察が重要です。大腸内視鏡検査の質の目安のひとつに腺腫の発見率が挙げられていますが、小さな病変の確実で早期の発見に努めています。
12内視鏡専用の洗浄消毒装置
医療現場では、さまざまな器具を使用し、患者さまごとに洗浄・滅菌を行います。その中でも、精密なカメラを搭載した内視鏡は非常に複雑な構造をしています。
当院では、院内感染のリスクを限りなくゼロに近づけるため、複雑な構造をした内視鏡であっても隅々まで洗浄・消毒できる、内視鏡専用の洗浄消毒装置を導入しております。
大腸カメラ検査の流れ
Step1.診察
大腸内視鏡検査は検査の少なくとも数日前に一度診察を受けていただく必要があります。診察はWEBや電話で予約することができます。現在の体調・普段飲んでいるお薬などを伺い、前処置薬や検査の注意事項に関する説明、大腸ポリープを切除するかどうかについて相談などをします。薬手帳や飲んでいる薬の内容が分かるものを持参願います。便秘気味の方は別に下剤を処方することがあります。常用薬については必要な場合は休薬の指示をいたします。必要により主治医の先生とご相談させていただきます。検査の予約を行います。
Step2.検査前日まで
検査2~3日前からは、食事は線維の多いもの(わかめ・ひじきなどの海藻類、とうもろこし、ねぎ、豆類、玄米、かぼちゃ、ごぼうなど)・種のあるもの・脂肪の多い食品は避けるようにしてください。検査前日は消化によい食事を午後9時までに摂っていただきます。大腸をきれいにしておくことが検査の精度に大事ですので、便秘気味の方をはじめとして検査食を購入していただいて摂っていただくことをお勧めします。水分は午後9時以降も飲んでいただいてかまいません。寝る前に前処置の下剤を服用いただきます。
Step3.検査当日
朝から絶食です。水やお茶は飲んでいただいて構いません。定期薬のある方は事前の診察の際に指示いたしますので従ってください。検査の4時間前から腸管洗浄剤(モビプレップ)をクリニックまたはご自宅で2時間ほどかけて服用していただきます。水やお茶などで水分を補給していただきます。個人差がありますがしばらくして排便が始まり、固形の便から泥状の便にかわり最終的に濁りのない透明な便になれば検査は可能な状態です。
検査時には検査着に着替えていただきます。パンツは穴が開いているほうを後ろになるように履いていただきます。鎮静剤・鎮痛剤・腸の動きをおさえるお薬を投与できるように点滴をします。
Step4.検査時
移動式の検査台で横になります。最初は左側を下になるよう横向きになります。希望される方には検査を楽に受けていただくため鎮静剤を投与します。検査中は生体モニターにより血圧・脈拍数・酸素濃度の測定を行います。内視鏡を大腸に挿入していきますが、その際挿入しやすくなるようにお腹をおさえたり体の向きを換えていただいたりします。ポリープがない場合、検査時間は10~20分程度です。適宜ポリープ切除や生検(組織検査)を行いますが、その場合には検査時間は長くなります。
Step5.検査後
鎮静剤を使用した場合は、意識がはっきりするまでリカバリールームで30分~60分程度お休みいただきます(時間には個人差があります)。鎮静剤を使用しなった場合は適宜休息していただきます。その後に検査結果をご説明させていただきます。不明な点などございましたらお尋ねください。
検査後の注意点
- 鎮静剤・鎮痛剤を使用した場合、当日中は車・バイク・自転車の運転はできません。
公共交通機関やご家族の運転する車などをご利用ください。 - 生検(組織検査)を行った場合は当日中のアルコール摂取はお控えください。
- ポリープ切除を行った場合は数日間アルコール・刺激物の摂取をお控えください。
- 1週間程度は激しい運動・旅行・出張などはお控えください。
- 食事は消化によいものをお摂りください。
- 血液混じりの便や出血が続く場合はご連絡ください。
- 観察のみで生検やポリープ切除がなかった方は食事や生活の制限はありません。
大腸カメラ検査の費用
保険負担割合・薬剤料・生検の数などにより変動します。
3割負担の場合 | |
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大腸カメラ | 約5,000~6,000円 |
大腸カメラ +生検(場所・個数により変動) | 約10,000~18,000円 |
大腸カメラ +ポリープ切除 | 約20,000~27,000円 |
1割負担の場合は1/3になります。初診料・血液検査代・薬剤料・注射料などが別途かかります。
症状がないが検査を受けたい場合、以前指摘された病変のフォローアップなどでもない場合、検診目的の場合などは自費診療扱いとなります。内視鏡(生検なし)26,500円、鎮静剤(希望の場合)2,000円に診察代(初診の場合3,000円)や薬剤料などがかかります。