内科について
当院は消化器内科・内視鏡診療だけでなく、内科全般についても総合内科専門医として診療・治療を行います。
「ちょっと体がしんどいけれど」「何となく気になるけれど気のせいかな」といった症状の中には、風邪やインフルエンザなどの感染症のほか、生活習慣病を含めたさまざまな内科疾患の可能性があります。「大きな病気があると心配だな」、「念のために一度診てもらおうかな」と思われたら、一度受診ください。もし当院では対応が難しい病気が見つかった場合は、連携する病院や専門医にご紹介いたします。
より大きな疾患への予防のため、生活習慣病については早めの対処が大切です。食べ過ぎや食事内容の偏り、喫煙、飲酒、運動不足、ストレスなどの生活習慣の問題が関わって起こるのが生活習慣病です。代表的な生活習慣病は糖尿病・高血圧症・脂質異常症・高尿酸血症(痛風)などがあります。無症状であるがゆえに生活習慣病に対して適切な生活習慣の改善や治療をせずに放置していると、狭心症・心筋梗塞をはじめとする心疾患、脳梗塞・脳出血などの脳血管疾患、慢性腎臓病、糖尿病性網膜症などの病気のリスクが高くなってしまいます。一見関係がなさそうなさまざまな臓器のがんも実は生活習慣の影響が大きいと考えられています。
一方で早期に適切な生活習慣の是正・治療を始めると、病気のリスクが抑えられ、治療の負担も抑えることが可能になります。健康診断や検診で異常を指摘された方、生活習慣病が気になる方、ちょっとした症状が気になる方は、怖いと思わずにどうぞご相談ください。
このようなお悩みはございませんか?
- 発熱、微熱が続く
- 頭痛
- のどの痛み
- 咳、痰
- 腹痛
- 吐き気、嘔吐
- めまい
- 便秘、下痢
- 動悸、息切れ
- 倦怠感
- 健康診断で数値の異常を指摘された
※発熱、のどの痛みなどの症状がある方には、受診時間をずらし隔離スペースで待機いただくなどの対応をいたします。
来院される前にお電話でご相談ください。
風邪
ウイルスに感染することで、鼻、喉といった上気道に炎症をきたします。症状として、発熱、喉の痛み、鼻水、咳などが挙げられます。
十分な休養・睡眠を確保し、こまめに水分を補給すれば、ほとんどの場合、数日で改善に向かいます。インフルエンザのように急激に悪化することはありませんが、気管支炎、肺炎などに至り重症化することがありますので、きちんと治しましょう。
特に症状が長引く場合には、お早目に当院にご相談ください。
※なお新型コロナウイルス流行期間はほかの患者さまへの感染の可能性を考え発熱、のどの痛みなどの症状がある方には受診時間をずらし隔離スペースで待機いただくなどの対応をいたします。
来院される前にお電話でお問い合わせください。
糖尿病
ご飯を食べたあとは血糖値が上昇します。この血糖値を下げてくれるのが、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンです。
このインスリンがうまく働かなくなる(インスリン抵抗性)、あるいは分泌量が低下することで血糖値が慢性的に高くなってしまうのが「糖尿病」です。直近の調査では、国内の全人口のうち約2000万人が、糖尿病または糖尿病予備軍だと推計されています。
Ⅰ型糖尿病とⅡ型糖尿病
糖尿病は大きくわけて「Ⅰ型糖尿病」と「Ⅱ型糖尿病」がありますが、9割以上を「Ⅱ型糖尿病」が占めています。生活習慣の乱れを原因として主に中高年で発症する、生活習慣病のうちの1つです。
一方で「Ⅰ型糖尿病」は生活習慣が原因ではなく、体質的にインスリンの分泌が著しく低下することで発症します。
合併症のリスク
糖尿病は、全身の大小さまざまな血管にダメージを与え、動脈硬化を進行させる「血管の病気」です。適切な治療を行わないと、失明に至ることもある「網膜症」、人工透析に至ることもある「腎症」、手足の痺れや痛み・感覚低下などをきたす「末梢神経障害」を高確率で合併します。なおこれら3つの合併症のことを、糖尿病の三大合併症と呼びます。 また同時に、動脈硬化によって狭心症・心筋梗塞、脳梗塞、あるいは閉塞性動脈硬化症(足の動脈などの動脈硬化を起こし最終的には足が壊疽を起こす)などのリスクを高める病気でもあります。
自覚症状が少ない点も、糖尿病の恐ろしい点です。特に初期にはほとんど無症状であり、健康診断や検診を受けて初めて自覚するケースが少なくありません。かなり進行してようやく、のどの渇き、多飲、多尿、倦怠感、体重減少などの症状が出現します。
糖尿病の治療・予防
糖尿病の治療でもっとも重要なのが、食事量・摂取カロリー、栄養バランスに注意した食事療法と、適度な運動による運動療法です。この2つは進行の程度に関わらず必要になります。また、糖尿病の予防という観点からも同様に重要な意味を持ちます。
食事療法・運動療法で十分な効果が得られない場合は、さまざまな種類の血糖降下薬を使用します。インスリンの効きを良くする薬、インスリンの分泌を促す薬、糖分の吸収と排泄を調整する薬などがあります。
これらの飲み薬で血糖値が改善しない場合には、インスリン治療を行います。
高血圧症
収縮期血圧140mmHg以上、拡張期血圧90mmHg以上のどちらか、もしくは両方を満たす状態が「高血圧」です。生活習慣病の中でももっとも患者数が多く、70歳以上の半数以上が高血圧だと言われています。
合併症のリスク
高血圧も自覚症状の少ない病気です。頭痛やめまいがあるという方もおられます。多くのケースにおいて、高血圧に気づかないまま放置し、動脈硬化を進行させてしまいます。これにより、心臓・脳・腎臓・眼などにダメージが蓄積し、不整脈・狭心症・心筋梗塞といった心臓病、脳卒中、腎臓病などの重大な病気のリスクが高まります。
高血圧の分類
明らかな原因となる疾患が見つからない高血圧を「本態性高血圧」と呼び、大部分の高血圧がこちらに分類されます。一方で、原因となる疾患を特定できる高血圧のことを「二次性高血圧」と呼びます。
本態性高血圧は、原因疾患を特定できないものの、ほとんどのケースで背景に生活習慣の乱れがあります。具体的には、塩分の摂り過ぎ、肥満、運動不足、ストレスなどが挙げられ、ここに加齢や遺伝の影響も加わります。
二次性高血圧には、腎臓の血管障害・腎障害による腎性高血圧、血圧の調整に関わるホルモンの異常による原発性アルドステロン症、褐色細胞腫、クッシング症候群、甲状腺機能亢進症などがあります。また、睡眠時無呼吸症候群が背景にある高血圧、薬剤に伴う高血圧なども見られます。
塩分摂取量について
塩分の摂り過ぎは、日本人の高血圧(本態性高血圧)の主要な原因と考えられます。高血圧治療ガイドラインによると、高血圧の方の1日の食塩摂取量は、6グラム以下に抑えることが推奨されています。
食塩6グラムというとどれぐらいの量なのでしょうか? たとえば、ラーメンやうどんを汁ごと完食した場合、それだけで塩分は6グラムに達してしまいます。
具体的な対策としては、食事の味を薄めにする、外食を控える(外食は味がやや濃くなっています)、麺類の汁を残すなどの取り組みを行うことによって、塩分摂取量を抑えることができます。
高血圧の治療・予防
減塩を基本とした食事療法、適度な運動による運動療法がもっとも重要な治療です。また喫煙している方は禁煙を、肥満傾向にある方は減量に取り組みましょう。
食事療法・運動療法で十分な効果が得られない場合には、降圧剤を用いた薬物療法を取り入れます。降圧剤には、アンギオテンシン受容体拮抗薬(ARB)、カルシウム拮抗薬、利尿剤などさまざまな種類があります。
目標とする血圧は135/85mmHgですが、糖尿病・慢性腎臓病・脳血管障害・冠動脈疾患のある方、75歳未満の方は125/75mmHgに設定します。
脂質異常症
悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が高い、善玉コレステロール(HDLコレステロール)が低い、中性脂肪が多いといった状態です。以前は、「高脂血症」と呼ばれていましたが、2007年に日本動脈硬化学会が現在の病名に変更しました。
糖尿病や高血圧と同様に、コレステロールが血管の内側にプラークを形成することで動脈硬化を進行させます。
合併症のリスク
脂質異常症によって直接的に起こる症状は基本的にありません。しかし、脂質異常症の放置は動脈硬化の放置を意味し、これが狭心症・心筋梗塞・脳梗塞のリスクを高めます。ただし稀に、皮膚の黄色腫・眼球の角膜輪といった症状が見られることがあります。また、中性脂肪の値が著しく高い場合は、膵炎をきたし腹痛を伴うことがあります。
脂質異常症の主な原因は、偏った食事、運動不足などの生活習慣の乱れ、肥満です。
生活習慣の乱れ以外の原因で
発症することもある
太っているけれど脂質異常症でない人がいる一方で、痩せているのに脂質異常症を発症する人がいます。これは、脂質異常症が、生活習慣の乱れだけでなく、もともとの体質が影響して発症に至ることがあるためです。
また、遺伝子異常によって若いうちから動脈硬化が進行する「家族性高コレステロール血症(FH)」の方で、特に脂質異常症の家族歴がある場合には、早期からの内服治療が必要になります。
それ以外にも、病気や薬の影響によって起こる脂質異常症があります(続発性または二次性脂質異常症)。具体的な疾患としては糖尿病・甲状腺機能低下症・腎臓疾患(ネフローゼ症候群)・内分泌疾患(クッシング症候群・先端巨人症)などが、薬剤としてはステロイドホルモン剤・経口避妊薬・β遮断薬などが挙げられます。 女性の場合は、加齢・閉経に伴うエストロゲンの減少によって脂質異常症を発症することもあります。
このように、脂質異常症の原因には生活習慣の乱れ以外にもさまざまなものが存在します。特に急激に数値が悪くなり脂質異常症を発症した場合には、これらの原因を疑うことが大切です。
脂質異常症の治療・予防
食習慣の見直し、適度な運動、禁煙、飲み過ぎを控えるといったことが、治療・予防の両方において重要です。食事では、野菜・青魚・大豆などは積極的に摂取し、肉類・卵・スナック菓子などを摂りすぎないようにしましょう。
食事療法・運動療法で十分な効果が得られない場合には、内服治療が必要です。コレステロール値を下げるスタチン系の薬が中心ですが、小腸でのコレステロール吸収をおさえるエゼチミブ、中性脂肪値を下げるフィブラート、エイコサペンタ塩酸などの薬も使用することがあります。
治療目標は、狭心症や心筋梗塞の既往歴や家族歴、糖尿病・高血圧・慢性腎臓病・非心原性脳梗塞・末梢動脈疾患・低HDLコレステロール血症(善玉コレステロール値が40mg/dL未満)の有無、喫煙の有無などによって異なります。
メタボリックシンドローム
メタボリックシンドローム(メタボ)とは、お腹の内臓のまわりに脂肪が蓄積した「内臓脂肪型肥満」に加え、高血糖・高血圧・脂質代謝異常などが認められる状態です。
男性85センチ以上・女性90センチ以上の腹囲があり、以下の①~③うち2つ以上に該当する場合に、メタボリックシンドロームと診断されます。
①高血糖 | 空腹時血糖値 110mg/dL以上 |
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②高血圧・最高血圧 | 130mmHg以上かつ/または最低血圧 85mmHg以上 |
③脂質代謝異常・中性脂肪 | 150mg/dL以上かつ/またはHDLコレステロール 40mg/dL未満 |
原因となるのは偏った食生活、運動不足、睡眠不足、喫煙などの生活習慣の乱れ、ストレスなどです。
メタボリックシンドロームの治療
治療では、適切な食事療法と運動療法によって内臓脂肪を減らすことが大切です。食事療法については、食事量だけでなく、栄養バランスにも配慮します。 すでに糖尿病・高血圧・脂質異常症といった生活習慣病を発症している場合には、それぞれの治療も必要です。
高尿酸血症・痛風
血中の尿酸値が基準よりも高い(一般に7.0mg/dl以上)状態を「高尿酸血症」と言い、その進行によって血中で尿酸の結晶が生じ、関節に激しい痛みがある状態を「痛風」と言います。 尿酸は、プリン体から作られ、ビール、鶏卵、魚卵、肉、魚などに多く含まれています。これらの食品を摂り過ぎることで、尿酸値が上昇します。
高尿酸血症・痛風の治療
高尿酸血症の治療では、まずプリン体を含む食品を摂り過ぎないことを中心とした食事療法、減量などを行います。また、糖尿病、高血圧、脂質異常症といった生活習慣病を発症している場合には、それぞれの治療にも取り組みます。
また、尿酸が産生されづらくする薬、尿酸の排泄をする薬などを使った薬物療法も行います。痛風発作が生じた場合には、ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)を併用します。
慢性腎臓病
腎臓には、心臓から送り出される血液の20%以上が流れています。その血液をろ過し、尿として排泄するのが腎臓の重要な働きです。それ以外にも、体液の量・浸透圧、血液の調整、ミネラルのバランスの維持、血液をつくるホルモンの分泌など、腎臓は実にさまざまな働きを担っています。
その腎臓の働きが、健康な状態よりも40%以上低下していたり、タンパク尿が続くなど腎臓の機能に異常をきたしている状態を、慢性腎臓病と言います。初期にはほとんど症状がありませんが、進行すると頻尿、立ちくらみ、貧血、倦怠感、手足のむくみ、息切れなどが見られることがあります。
慢性腎臓病は、心筋梗塞や脳卒中など、重大な疾患を引き起こすこともあります。特に、糖尿病、高血圧、脂質異常症、腎臓病などの持病がある方は注意が必要です。
慢性腎臓病の治療
失われた腎臓の機能を回復させる方法は現在まだ見つかっていません。治療では、疾患の進行を押しとどめ、腎臓を長く機能させることに主眼が置かれます。
糖尿病・高血圧・脂質異常症、あるいは膠原病や感染症などを発症している場合には、それぞれの疾患に応じた治療が必須です。
また、慢性腎臓病の進行によって体内のミネラルのバランスが崩れている場合には、その調整のための薬を使用します。
漢方治療
様々な病気に対しては、それぞれに適した治療薬を選択します。治療薬に対する効果が十分でない場合に漢方薬が有効な場合があります。消化器内科の疾患だけでなく一般内科の疾患に対しても漢方薬を補完的に用いて治療を行います。
訪問診療・往診(準備中)
高齢化社会・核家族化・単身世帯の増加といった著しい社会変化がこの後、日本でもますます進むことが確実視されています。
きのしたクリニックでは通院すること難しくなった患者さまについて訪問診療を行えるよう、体制を整えていきます。
きのしたクリニックでは
隔離スペースを設けています
新型コロナウイルス感染症などの感染症が疑われる場合には、他の患者さまへの感染を防ぐため、隔離スペースをご利用いただきます。
また、隔離スペースそのものも、その使用ごとに消毒しております。
発熱やのどの痛みなどの感染が考えられる症状がございましたら、ご来院前にお電話でお知らせください。